銀行カードローンの保証会社とは
銀行カードローンを利用する場合、「保証会社の保証を受けること」が条件となっており、保証会社の保証を受けなければ銀行からの借り入れを行うことはできません。銀行カードローンの申し込みを行った場合、まず借主の返済能力の有無についての審査が行われますが、この審査を主に行っているのが保証会社です。保証会社の審査通過後は銀行での審査もありますが、その内容は主に書類に不備がないか、本人の在籍確認等の簡単なもののみとなっているため、実質的な審査は保証会社が行っているといっても過言ではありません。
こうした銀行カードローンにおいて保証会社となっているのが「消費者金融」や「カード会社」です。銀行からの借入れの審査をなぜ保証会社が行っているのか、保証会社で行われる審査はどういった内容なのか、また借主の返済が滞ったときに保証会社が行う「代位弁済」とはなにか、ここではこうした疑問に対してお答えしていきたいと思います。
保証会社の多くは消費者金融
カードローンの方法は大きく2つ「銀行」「消費者金融」から借りる場合が考えられますが、「保証会社の保証が必要」という条件がついているのは銀行カードローンの場合のみです。というのも消費者金融では自社にて保障を行っているため保証会社をたてる必要がないのです。一方で、銀行カードローンの場合は自身では保証を行っておらず、これら業務は主に消費者金融への委託によって行われています。
銀行の保証業務を消費者金融が行っている主な理由としては、消費者金融は元々こうした保証業務を行っていたこと、また平成22年に行われた総量規制の影響で融資規制された変わりに、保証業務を請け負う事業を展開していったことなどが挙げられます。消費者金融に良いイメージを持っていない人が多い中、こうした会社が保証することには不安を覚えるかもしれませんが、返済をしっかりと行っているのであれば契約はあくまで銀行との関係のみであり、消費者金融と直接的な契約関係は生じないため過度に心配する必要はありません。
保証会社による審査
保証会社によって行われる審査は、申し込み時に記載された内容等を点数化し、基準点を超えた人を審査通過させる「スコアリング」と呼ばれる手法で行われるのが一般的です。点数化される情報は主に「個人の信用情報」「勤務会社」「年収」などとなっています。個人の信用情報は最も重要な項目で、自己破産や債務整理、返済滞納といった過去の金融事故の情報や、現在のどれぐらいの借り入れ額を何社から行っているか、直近の返済履歴といった情報等が参照されます。
最近では借入総額による審査の厳格化が続いており、適正な融資額といわれる「年収の1/2」ほどの額を既に借入れている場合には、審査通過はかなり難しいでしょう。勤務会社の信用が高いほど、審査も通過しやすくなります。上場企業に勤めている方や公務員の方は審査に通過しやすい一方で、安定感のない自営業の方などはスコアは低く、審査も通りにくくなります。同様に年収も高いほど審査は通過しやすくなりますが、ただ年収が高いだけでなく勤続年数も長いなど、収入の安定性の高さが金額以上に重要です。
代位弁済とは
代位弁済とは、借主が銀行に対して返済が長期間と滞るなど、返済困難な状況に陥った場合に、保証会社が借主に代わって銀行への返済を行うことです。銀行が返済を受けたことで「借主・銀行」間の契約関係はなくなりますが、以後は新しく「借主・保証会社」間の返済義務が生じます。銀行カードローンに保証会社をたてることが条件とされているのは、100%債権回収できるようにし不良債権化を防ぐためです。
代位弁済後は借主は保証会社に対して、原則「一括払い」での返済が必要となります。ですが実際には返済相談にのってくれる保証会社も多く、月々の分割返済に切り替えてくれる可能性も十分にあるようです。ただし保証会社にしっかりと完済場合でも、代位弁済を受けたことは個人の信用情報に「事故情報」として約5年間は記載されることになるため注意が必要です。保証審査において代位弁済を受けたことは大きな影響を与えるため、しばらくの間は住宅ローン等の融資を受けることが難しくなります。
まとめ
銀行カードローンには必ず保証会社の保証が必要になること、その保証会社は主に消費者金融やカード会社が委託され行っていることを説明させていただきました。また保証会社での審査は、個人情報や年収、勤務会社などから総合的に返済能力をスコア化され判断がなされることや、返済が滞った場合には保証会社が変わりに返済を行う代位弁済があることも紹介しました。保証会社が消費者金融であることから、保証を行う消費者金融から借り入れを行っていた場合には銀行カードローンの審査が通りにくくなるのでは、と疑問に感じた方もいるかもしれません。
ですが消費者金融が自社への借り入れに対して行う保証基準と、銀行からの委託として行う基準は異なるため、消費者金融から借り入れを行っているという理由だけで審査を落とされることないといってよいです。ただし借入総額や他社からの借入があるのは審査上不利な事実であることに変わりはありません。銀行カードローンは利息も低い等、メリットも多いですが借り入れを行っていることに違いはないため、自らが返済できる範囲で賢く利用していくことが大切です。